"「考える力」の鍛え方"を読んで
先日、考える力の鍛え方という本を読みました。東大の理論物理学の先生が書かれたものです。これからの自分にとっても良いヒントになりました。皆さんにもおすすめなのでご紹介します。
要約してみると、
そもそも、「優秀さ」を測るには3段階ある。それが「マニュアル力」、「考える力」、「創造力」。
マニュアル力はいわゆるお勉強の能力で、考える力は問題発見力、創造力は、誰も気づいていないことを独自の方法で解決する力のこと。
これは順に、大学受験、大学、大学院で求められる能力。それぞれ下位のものがなければ上位のものは成り立たないからぜんぶ大切だが、当然上位のものほど、身に付けるのが難しい。
創造的に考えるにはどうすれば良いか。重要なのは3つ。
本質的な問題を発見する力、
要素に分けて解決する力、
諦めずに粘り強く取り組む力。
本質的な問題を見つけるためには、
何が既に分かっているのかを確認するために、徹底的な情報収集と要点の理解・記録が大切で、かつ、理解したことは思考の外に捨てて、洗練していく作業が必要。
要素に分けて解決するというのは、複雑な問題を解決可能な要素に分解して、個々をひとつずつ検証していくということ。
最後の諦めないて話。
ここで大切なのは、自分が本当に取り組みたいと思えることを選ぶこと、そうすることで、大量のトライアンドエラーにも屈しないモチベーションを保てる。
また、原点に立ち返って考える勇気をもつ。精神的に疲れたときはしっかり休むってこと、そもそも心に余裕を持つこと。好奇心、疑問をもちつづけて、広い視野で物事を多角的に見ること。
そして、憧れ、ビジョンをもつこと。
そうそう、この本読んでいて思い出したのがなぜか、「ゼルダの伝説」というゲームでした。そもそも、ゼルダの伝説というのはニンテンドーが出している謎解きRPGゲームのシリーズです。勇者リンクになりきって、ゲーム内に随所に散りばめられた「課題」を試行錯誤のトライアンドエラーを繰り返して、解決策を導きます。こういった課題を解くのは、大学受験の数学の問題を解くのに非常に似ていると思っていて、ある程度手持ちで使える道具は決まっている中で、それらを組み合わせて、どう答えに辿りつくかを考える。難しい問題では、これまでの解決策に囚われない発想が必要ですし、行き詰まってどうしようもなくなったら原点に立ち返らなくてはならないといったことも必要で、総じて、通ずるものがありますし、数学で本質的に教育したいことというのは、ゼルダの伝説で学習できると思います。そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、あながち間違っていないと私は思います。
特にスイッチで出ているブレスオブザワイルドでは、オープンワールド形式になっているので、始め、世界全体の詳細な地図は全く分かっていません。とりあえず合っているであろう方角に向かってただただ進んで、目的地にたどりつく、というのが基本的な動きです。いくらでも寄り道ができる自由度があるので、創造的なものの進め方、すなわち脇道に逸れることをよしとして好奇心の赴くままに進んでいく、という方法に通ずるものがあると思いました。
要するに、本書で述べられている、「創造的な考え方」のベースとなる力を身につけるのに非常に良いゲームだということです。面白いので皆さんも是非やってみてください。笑
少し、話が逸れましたが、
これまでは、欧米に追いつくために、真似して、マニュアル的な方法で成長できてた日本だけれども、トップ層になってきた今は、創造的に考えて新しいものをどんどん生み出す時代に入ってるから、みんなその力を磨く必要がある。生き残るのは強い者じゃなくて環境に適応した者。というのがザックリとした著者の主張でした。
考える力が大事だ!というのはよく聞くと思いますが、じゃあそれをどう鍛えるのかって話はなかなかないですよね。その方法について述べている珍しい本です。
以前、ベクトルなくなる、三角関数いらないの話でも、少し言いましたが、
これからは破壊の時代で、新しいものを作っていかなければならない。そういった状況で次の世代に必要なのは、ある職業を専門的に行う人材ではなくて、様々な変化に対応し、環境に適応する能力を持った人だと思います。
その点でも、今回紹介している本の著者が述べている「創造的に考える力」こそが鍵になっていると思います。
マニュアル力ばかり鍛える教育が横行してきたこともあり、日本でふつうに教育を受けてきた人にとっては、なかなか身につけられない代物です。
したがって、「意識的に」鍛えることがとても重要なんじゃないでしょうか。
僕も早速本書の内容を実践して、自由な発想で生きていく力を身に付けたいと思っています。
興味のある方は是非読んでみてください。